義弟の転勤

義弟は既に2度の転勤経験者です。同じ職業の夫は単身赴任の経験は有りますが、住居の移動を伴う転勤は未経験です。義弟は一度目は沖縄、2度目は最初の勤務地である現在の勤務地です。私が聞いている限り、幾つかの転勤のあとで最初の勤務地に戻る事は有ってもUターンは珍しいようです。

義弟も同僚から出戻りと揶揄されるのが一番イヤなようです。Uターンも本人の落ち度などではなく、義弟は数少ないIT専門家です。転勤後2年で元の勤務地の担当職員が、病気で休職したので急遽呼び戻されたのです。本当は、誇るべき事なのですが、細かい事情は企業秘として他言無用です。

Uターン直前には、海外赴任の打診も有り、英語力に少し自信が無かったらしく、インターネットを使って「英語 専門学校」をキーワードにして検索して、検討中だったそうです。その直後のUターン転勤で、海外赴任の話も立ち消えになり、その上に出戻りと揶揄され、嫌気がさしているようです。

国内の単身赴任者向け専門の物件
http://www.reloestate.jp/tanshin/

この前の休日に夫の実家で内祝いが有り、義弟が夫に、転勤の相談をしていました。相談をされた夫も困惑気味です。自分自身に本格的な転勤の経験がないのですから、夫は逆にどうしたら、転勤できるか聞きたくらいだろうと思いながら見ていました。

義妹の事情

義弟には、Uターン転勤後に結婚した奥さんがいます。最初の転勤前に交際していましたが、沖縄転勤で、交際は自然消滅になっていました。それが、Uターン転勤で再開し、焼けぼっくいに火がついて、結婚に至ったそうです。そういう意味ではUターン転勤は、無意味では無かったのです。

義弟の奥さん=義妹とは仲良しでお互い、頼りあっています。私には、いつでも、何でも相談できる、両親がいますが、義妹の、ご両親は事故で亡くなっています。転勤が多い職業に定年になり、自宅を新築されたばかりだそうです。そんなわけで、私は義妹の唯一の、相談相手なのです。

義妹は転勤には不満が有るようです。転勤の事は知っていたそうですが、転勤とは、自ら言い出すものではなく転勤の打診が有って、考えるものだと思っていたようです。彼女の言い分も分かります、私は結婚で専業主婦になり、子供も授かったので、夫について行くしか思いあたりません。

義妹は、子供がいないのと、薬剤師として勤務しているので、経済力が有ります。勤務先は全国展開の薬局チェーンですが、最近転職したばかりなので、夫の転勤を理由に、転勤を言い出せる立場ではないようです。義弟が無理やり転勤するなら、単身赴任を、お願いするつもりだそうです。

義妹からの相談

義妹から内緒の相談が有りました。深刻な相談らしく、時間がかかる相談らしく、適当な場所が見つからない事も相談の一つでした。自宅でも、私の自宅でも、夫の実家でも、ダメで、聞かれたくない内容らしいのです。その上に時間が掛かる厄介な相談(転勤単身赴任?)みたいです。

私も、そんな場所に心当たりは有りません。困っていたら、お義姉さんのの実家はダメですか??。私も考えなかったわけでは有りません。夫の実家がダメなら、私の実家でも同じく、ダメだろうと思っていただけです。土曜日の午前中は外出しない理由を知っていたので、連絡しないで、次の土曜日に電車の駅まで迎えに行く約束をしました。

直ぐに、両親に連絡しないで、約束したことを詫びました。こんな時、両親は、特に父親は寛容です。午後に、外出する時は留守番をして欲しいと言われ、何なら、泊りがけでお出でと言われてしまいました。

早速、義妹に連絡したら、安堵感が伝わって来ました。泊りがけで・・と言う、父の言葉をそのまま伝えたら、ご迷惑で無ければ、是非・・・という返事でした。義妹は親戚にお泊りの経験が無かったそうです。夫たちも妻同士が一緒に私の実家に、お泊りと言う事には何の異議も挟みませんでした。

お泊り相談会

土曜日になりました。子供を連れて車で電車の駅へ迎えに行きました。子供たちは久しぶりに逢う"お姉ちゃん"に興奮気味です。義妹は私と両親に手土産持参でした。実家への途中にあるショッピングモールで夕食の材料を買い込んで実家へ向かいました。

父が起きている間は、事務所にいる事を知っている子供たちは、事務所から、私たちは玄関から家の中へ入りました。簡単な挨拶のあとで一緒にお茶をいただきました。味は"歓迎"を意味していました。母は、他人の批評とか、批判はしませんが、初対面の印象でお茶の味が三段階に変わります。午後から外出と言う事で事務所で留守番をしながら話を聞くことにしました。

両親の外出後に、事務所で話を聞きました。子供たちはテレビとDVDに夢中です。相談の内容は、やっぱり、転勤単身赴任の事でした。義妹は夫たちの職場の転勤システムが理解できていないようです。私は転勤の経験は有りませんが、ご近所さんやママ友の転勤で、単身赴任や独特の転勤システムについては耳年増になっています。

義妹の現在の悩みは、まだ決まってもいない、仮の転勤話の同行転勤拒否で、夫婦仲がおかしくなっているそうです。他にも色々有りました。

義妹の本当の悩み

お泊りの夜は義妹も含めて私が用意した鍋を囲んで楽しい食事でした。母だけは私の子供たちの世話でいつも、大変です。寝る前に夜型というか深夜型の父にかいつまんで話して、力を借りることにしました。義妹は一緒に寝ながらお話をするのが、修学旅行以来と言う事で楽しみにしていたそうです。

結婚で家をでるまで、使っていた部屋がそのまま、私の里帰り部屋になっています。部屋は広いのでマットと布団を運び込み子供たちと一緒に休みましたが、義妹は亡くなったご両親の話や、職場の愚痴、将来の夢を興奮気味に語って、なかなか寝かせてはくれませんでした。

朝起きたら、父は事務所で作業中でした。驚いた事に、寝る前に、父にかいつまんで話したことが具体的に、わかり易く整理されていました。最大の問題だった、ご両親が残された、住宅の事でした。現在は弟さん夫婦が住んでいますが、間もなく、海外赴任で日本を離れます。その留守宅管理・リロケーションの問題でした。

その解決策まで書かれていました。私には日常のことですが、義妹にとっては信じられない出来事だったようです。感激していました。初めて会って話もそこそこなのに、自分の為にそこまで・・・。父は義妹の為ではなく、私の為にしてくれたはず。

父の提案

朝ごはんを食べて再び、事務所の父のところへ行きました。最初に父が重たい口を開きました。先ず、この相談に対する父の立場の説明が有りました。こういう相談は仕事では無いので費用は発生しない。普通なら関わりたくない。今回は、可愛い娘(私の事です。)の頼みとあなた(義妹の事です。)が気に入ったから・・

父は、私と美人に弱いのです。もちろん母には一番弱いのです。父は人に対する好き嫌いが激しく、母の苦労の種のようです。それは、さておき、父の提案の続きです。夫婦の問題には自分の子供夫婦の事にも立ち入らないのにちゃんと説明を始めました。

1,急な転勤には一緒にいけない理由を言葉ではなく、手書きの文章と、図で示して説明すること。言葉では全部言う前に、言葉が返ってくるので、お互いに感情的になってこじれることが多い。

2,亡くなったご両親のおかげで身につけた薬剤師と言う資格と仕事に誇りを持っているので大事にしたい。
3,薬剤師と苦行に言う職業に需要は多いが、地域的に偏りがあり、即応出来ない。勤務先も後任が決まるまでは勝手に退職できない。
4,転勤の話が決まれば、職場に転勤願いか、退職届を出して、切りをつけて行くから、転勤に間に合わない時は、単身赴任して欲しい。

留守宅管理まで解決

父は義妹の最大の悩みだった、留守宅管理・リロケーションまで、道筋を付けてくれました。空き家にする危険性や、固定資産税、貸した場合の不動産所得や確定申告の問題や、転勤になった場合の留守宅管理・リロケーションまで説明してくれました。とくに、間近に迫った弟さんの海外赴任で空き家になってしまうので直ぐにでも手を打つ必要がある事を説明してくれました。

義妹は、厚かましいお願いですが、入居者募集や留守宅管理をお願いしたいと言い出しました。父は一時期、街の不動産屋さんで勤務経験が有り、宅建の資格も持っていますが、入居者募集や留守宅管理はできません。母を呼んで、知人に電話させていました。

父の友人で、日曜でも動いてくださる不動産屋さんが駆けつけてくれました。転勤までは賃貸管理、国内転勤になれば、留守宅管理に切り替えることで話を付けてくれました。

義妹は心から父に感謝しているようです。良いご両親ですね。と羨ましそうに言うので、思わず、三女にならない?私が次女だから三女の席は空いているよ。自分の都合のいい時だけ、三女になればいいよ。それでなくても離婚でもしない限り二人は義理の姉妹です。私の両親も笑顔で、真顔で三女になれば里帰りも出来るよ!!。子供ができたら産前産後の里帰りも出来るし・・・

転勤や海外赴任のノウハウがとても参考になります。

義妹は大喜びです。

義妹は大喜びでしたが、完全な冗談だと思っていたようです。昼食後に母が電話番号やメールアドレスや携帯電話の一覧表を渡されそれに三女 ・・子さんへと書かれているのを見て一瞬固まって、涙を流して、やがて、号泣です。両親はこういう場合、冗談など言いません。私と両親の阿吽の呼吸なのです。

やっと泣き止んだら質問攻めです。両親にとって、自分たちの経験を交えながら丁寧に答えていました。私も知らない話も有って、一緒に聞きました。両親とも実家がなく、里帰りの経験が有りません。だから、身近に同じような境遇の人がいると、黙っていられないようです。

その上、私の妹なので、里帰りも出来るよ!!。子供ができたら産前産後の里帰りも出来るし・・・とまで言い出したようです。私は普通の事として考えていましたが、あらためて、両親に感謝しました。義妹にとって盆と正月とクリスマスと、5月の連休が一緒に来たようなものです。

義妹は転勤と、留守宅管理・リロケーションまで一度に解決して気が抜けたようです。急にパソコンに触りたい?と言い出しました。事務所のパソコンを見てうずうずしていたそうです。私専用のパソコンで検索や辞書の使い方などを教えていたら父から二人にパソコンの入門書のプレゼントが有りました。

 

仲良し夫婦の復活

妹(両親の三女)は、私の実家から帰った、その日に夫婦で話し合ったそうです。父から、教えられたようにひと通りの事情を言葉ではなく、手紙の形で見てもらったら、大成功だったそうです。妹は私の実家から電車の駅に着くまで、両親の事ばかり話していました。

駅で見送るときには、見違えるように明るく優しい顔に変わっていました。その変わった姿に義弟は気づいて、なにかいい事が有った??と聞いてきたので話がしやすくなったそうです。転勤話に、単身赴任ばかり言う妻に自分を嫌っていると勘違いしていたらしく、そこから、夫婦としてのボタンの掛け違いが始まっていたようです。

話が普通に出来るようになれば、元々、仲の良い二人です。妹(両親の三女)は、私の両親の話をして、三女になった喜びを爆発させたようです。義弟が一番喜んだのは"子供ができたら産前産後の里帰りも出来るし・・・"という部分だったそうです。子供が出来たらという、前提で話をしたことが無かったらしく、その日の内に仲良し夫婦の復活でした。

数日して、私の新しい妹が電話してきました。思い切って本社の人事担当に相談したら30日あれば店舗の移動で対応できるから早目の相談を促されたそうです。転勤話と、単身赴任に切りがついてすっかり楽になったお礼の電話でした。

夫婦揃って

義弟から電話が有りました。私の両親に夫婦揃って挨拶に行きたい。自分も色々教えてもらいたい事があるから??ということです。同じIT関係と言う事で、前から父と話したかったそうです。父もIT関係のかたとお会いするのは好きなようです。在宅の仕事なので、ひとりよがりにならないことを注意しているそうです。


次の土曜日の朝に義弟夫婦が車で迎えに来ました。子供たちを連れて私の実家に向かいました。夫は休日出勤日です。私の実家の事務所に入るなり義弟の目が輝きだしました。仕事柄、相通じる物が有るようです。挨拶もそこそこに、父に質問の連射攻撃開始です。


私たちは、居間に移って"お持たせ"で、お茶をいただきました。母はさり気なく、新しい三女の里帰りを、歓迎していました。女性3人は本当の母娘姉妹のように打ち解けて振舞っていて違和感は全く感じませんでした。


途中で、父の事務所に行ってみたら義弟と父がパソコンの話で話が弾んでいました。義弟の質問に父が丁寧に答えています。転勤に絡んだリロケーション海外赴任の場合のリロケーションについても話していました。帰宅の車中でも義弟は興奮気味に父のことばかり話していました。仕事にすぐに役立つ情報を聞き出せたそうです。一番良かったのはいつでも電話で質問の権利をもらったそうです。勤務先のマニュアルには無い自由な発想で今まで一週間かかっていた作業が5時間で出来ると分かったそうです。

※リロケーションについて見て欲しいサイト